All is shut down -童話の消えた森-

seramic heart

遠い町で男の子は、初めて女の子に抱きしめて貰った。

何時も一緒であった。晴れの日も、雨の日も、雪の日も

しかし、あまりに弱かった二人は、その境遇は、空しくも2人を引き離した。


離れた男の子に女の子から電話がいれられた。


「新しいお友達が出来たの」


男の子は、その言葉の意味を理解出来なかった。



幾多の月日が流れても、女の子への気持ちは少年を燻り、想いは積った。

意を決した男の子は、女の子の誕生石が埋められた
耳飾を誕生日に贈った。

想いを確かめたいが為だけに。


離れた男の子に女の子から電話がいれられた。


「ありがとう、貰ってもいいの?」


男の子は、受話器ごしに頷く。

男の子は、確かめようとした。

少しためらい、息をのみ、言葉にした。


「デートを申し込もうと思って」


一瞬静寂した後、男の子の手に握られた受話器から、少女の大きな笑い声が聞こえた。

それは、受話器の向こう側を想像出来る様な、大きな笑い声だった。

その声からは色々な感情を感じ取れた。しかし、男の子の知る、女の子の物では無かった。

暫くした後、笑いを堪え、女の子は


「考えておいてあげる」


と男の子に伝えた。


少年の受話器を握る手からは、既に意識は通っていなかった。


男 の 子 は、無関心と心無き言動に殺されたのだ。

non sentimentalisme -女の子にセンチメンタルなんて感情はない-


ZUNTATA /Raycrisis